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広域調査を効率化!衛星画像解析とは

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広域調査を効率化!衛星画像解析とは
■はじめに
■広域調査における衛星画像解析の重要性
 ●広域性
 ●定期正・継続性
 ●客観性
 ●遠隔観測
 ●他データとの融合
■衛星画像データの解析とは
 ●画像を「測定データ」として扱うこと
 ●人の目では見えない特徴を抽出すること
 ●時間的・空間的な変化を捉えること
 ●AIや統計を使ってパターンを見つけること
■衛星画像解析の基本プロセス

 ●データ取得と準備の流れ
 ●前処理
■代表的な衛星画像解析技術・手法
 ●スペクトル解析(指数・特徴量抽出)
 ●物体検出(AIによる自動抽出)
 ●変化検出・時系列解析
 ●SAR解析(散乱特性・干渉SAR)
■衛星画像解析の主な活用例
 ●森林監視・違法伐採の検知
 ●都市開発・都市インフラのモニタリング
 ●船舶監視
■まとめ
 ●衛星画像解析で広域調査をスマートに
 ●参考情報へのリンク

広域調査を効率化!衛星画像解析とは 

はじめに
 近年、人工衛星の商業化やAI技術の進化により、衛星画像データ解析は政府機関や研究機関だけでなく、民間企業や地方自治体など幅広い分野で注目されています。広域にわたる状況把握や定期的なモニタリングが可能な衛星データは、これまでの調査業務を効率化し、より迅速で正確な意思決定を支援する可能性を秘めています。
 
広域調査における衛星画像解析の重要性
 土地やインフラの状況は継続的に調査・管理する必要があります。しかし、従来の地上調査では人的リソースやコスト、時間の制約が大きく、効率化が課題となっていました。衛星画像解析は以下のような点の特長があり、このような広域調査の課題を解決する可能性を持っています。
 
 ●広域性:
  一度に広範囲のエリアを観測できるため、広大な土地や海洋、国境を越えたエリアのモニタリングに適しています。
 ●定期性・継続性:
 同じ場所を定期的に観測できるため、時系列での変化を捉えやすく、長期的なトレンド分析や経時的なモニタリングに優れています。
 ●客観性:
 人間が立ち入れない場所や、状況が把握しにくい地域でも客観的なデータを取得できます。
 ●遠隔観測:
 現地に赴くコストやリスクを削減できます。
 ●他データとの融合:
 IoTセンサーデータ、地上観測データ、気象データなど、様々な地理空間情報と組み合わせることで、より高度な分析や予測が可能になります。 特にAI・機械学習技術との組み合わせはこれらの強みを最大限に引き出し、膨大なデータの中から自動で価値ある情報を抽出することを可能にしています。
 
衛星画像データの解析とは
 衛星画像データ解析とは、人工衛星が地球を観測して取得した画像を、単なる写真として見るのではなく、「測定データ」として扱い、様々な情報を抽出する技術です。
 ● 画像を「測定データ」として扱うこと
 衛星画像は、地球の表面から反射される光や電磁波の情報を、特定の波長帯(バンド)ごとにデジタルデータとして記録しています。このデータは、それぞれのピクセルが持つ数値として表現されており、これらの数値は特定の地物や現象の物理量を表す「測定データ」として解釈できます。例えば、植物の活性度や地表面の温度、水の有無などが数値として定量的に把握できるため、単なる視覚的な情報以上の深い洞察を得ることが可能です。
 ● 人の目では見えない特徴を抽出すること
 衛星は、人の目に見える可視光の範囲だけでなく、近赤外線や熱赤外線、マイクロ波など、さまざまな波長帯で地球を観測します。これらの波長帯のデータは、植生の生育状況、土壌の水分量、地表面の微細な変位といった、人の目では直接捉えられない特徴を抽出するために利用されます。例えば、植物の葉が特定の波長である近赤外線を強く反射する特性を利用して、生育状況や病虫害の兆候を早期に検出することが可能です。
 ● 時間的・空間的な変化を捉えること
 地球観測衛星は、同じ場所を定期的に観測する能力を持っています。これにより、異なる時期に撮影された画像を比較することで、森林伐採や都市の拡大、河川の氾濫による浸水域の変化、地盤の隆起・沈下といった時間的な変化を詳細に追跡できます。また、一度に広範囲を観測できるため、大規模な地域における空間的な変化のパターンも把握しやすくなります。
 ● AIや統計を使ってパターンを見つけること
 膨大な量の衛星画像データを効率的に解析するためには、AI(人工知能)や統計解析の技術が不可欠です。AI、特に深層学習は、画像内の特定の物体(建物、車両、ソーラーパネルなど)を自動で検出し、分類する能力に優れています。また、時系列データの統計分析を通じて、長期的な傾向や異常値を自動で特定することも可能です。これらの技術を活用することで、これまで専門家が膨大な時間をかけて行っていた作業を自動化・高度化し、より迅速かつ正確な情報提供を実現します。
 
衛星画像解析の基本プロセス
 衛星画像解析は、目的の情報を効率的に得るために、いくつかのステップを踏んで行われます。
 ● データ取得と準備の流れ
  1. 解析目的の整理: どのような情報を、いつ、どのような空間・時間スケールで取得したいのかを明確にします。過去の情報か最新の情報かなど、目的によって必要なデータが変わります
  2. 衛星データの検討: 目的に合った衛星データを探します。衛星データの取得時期、分解能、観測頻度、解析に適した処理レベルなどを検討します
  3. データ取得: 無料のオープンデータと有償の商用データがあります。無料のオープンデータはデータ検索システムを通じて目的のデータをダウンロードしますが、多くの場合、アカウント登録が必要です。有償の商用データは衛星画像販売をしている会社から購入します
 ● 前処理
 取得した衛星画像は、大気の影響や地形による歪みを含むため、まず前処理を行って、データを整える必要があります。一般的にはセンサーの特性や大気の影響を補正する放射補正で反射特性を整え、次にオルソ化で位置の歪みを補正し、座標変換で地図座標に合わせます。光学衛星データでは、パンシャープン処理やバンド合成などにより解析しやすい画像を作成することもあります。なお、データの処理レベルによっては、これらの補正があらかじめ施されている場合もあります。
 
代表的な衛星画像解析技術・手法
 衛星画像解析には多種多様な技術が存在しますが、実務やビジネス利用で広く使われる主要な解析手法をいくつか紹介します。
 ● スペクトル解析(指数・特徴量抽出)
 衛星画像の複数の波長(バンド)の反射特性を組み合わせ、地物ごとの特徴を抽出・解析する手法です。代表例として、植生の活性度を示すNDVI(正規化植生指数)があり、農作物の生育状況の把握や森林の病害診断、緑地分布の把握などに広く活用されています。
さらに、スペクトル特性に加えてテクスチャ情報も活用することで、地表を森林、農地、市街地、水域などのカテゴリに分類することが可能です。これにより、国土管理、環境モニタリング、都市計画など幅広い分野で利用されています。
 ● 物体検出(AIによる自動抽出)
 人工知能(AI)や機械学習を用いて、衛星画像から建物、車両、船舶、設備など特定の対象物を自動的に検出する手法です。広域を一度に観測できる衛星データと組み合わせることで、インフラ監視や物流把握、安全保障分野などでの活用が進んでいます。
 ● 変化検出・時系列解析
 異なる時期に取得された衛星画像を比較し、地表の変化を把握する解析手法です。都市の拡大、森林伐採、災害による地形変化などを継続的に監視できます。長期間にわたる観測データを活用することで、環境変化や土地利用の推移を定量的に分析できます。
 ● SAR解析(散乱特性・干渉SAR)
 合成開口レーダー(SAR)衛星の電磁波を利用した解析手法です。雲や夜間の影響を受けず観測できる特徴があり、電磁波の散乱特性から地表面の状態を把握できます。また、複数時期の位相情報を利用する干渉SAR(InSAR)により、地盤沈下や隆起などの地表面変位をミリメートル単位で検出することも可能です。
 
衛星画像解析の主な活用例
 衛星画像解析は多岐にわたる分野で活用されていますが、ここではその広域性、定期性、非接触、客観性といった強みを活かした例を3つ述べます。
 ● 森林監視・違法伐採の検知
 森林の変化を広域かつ継続的に把握できるため、森林監視や違法伐採の検知に活用されています。変化が生じた場所を特定できることで、現地調査や対策を必要な箇所に絞ることが可能になり、限られた人員でも効率的に保全活動を進められます。また、定期観測により異常を早期に把握でき、被害の拡大防止にも貢献します。
 
 

ハイパースペクトルデータ*を使ってマングローブ主の複雑なパターンを分けた、サルマデルタにおけるマングローブの植生分類の例。
(*Pixxel社実証機データ)

 
 ● 都市開発・都市インフラのモニタリング
 都市では新たな建設や再開発が継続的に行われており、その状況を広域で把握することが重要になります。衛星画像を利用すると、異なる時期の画像を比較することで建物の増減や開発状況を効率的に検出できます。また、SAR衛星データを用いた干渉解析(InSAR)により、都市域の地表面変位をミリメートル単位で把握することも可能です。
 

干渉解析(InSAR)により1年の変位傾向を見た例。(緑=変化が少ない、赤に近くなる=沈下傾向、紫に近くなる=隆起傾向)

 ● 船舶監視
 海洋は非常に広大であり、船舶の動きや海上活動を継続的に監視することは容易ではありません。衛星画像を利用すると、広い海域を定期的に観測し、船舶の分布や航行状況を把握できます。さらに、画像解析やAIによる船舶検出を用いることで、船舶の種類(コンテナ船、タンカー、軍艦など)を分類することも可能です。これにより、違法操業の監視や海洋安全保障などに活用されています。
 

軍民共用港でのAIによる船舶抽出・分類例
Satellite image ©Capella Space Corp. All rights reserved

 
まとめ
 ● 衛星画像解析で広域調査をスマートに
 衛星画像解析は、広域にわたる地球上のさまざまな情報を効率的かつ客観的に取得・分析できる強力なツールです。特にAI技術との組み合わせにより、これまで時間とコストを要していた広域調査業務を大幅に効率化し、より迅速で質の高い意思決定を支援する可能性を秘めています。建物変化の検出、地表面変位のモニタリング、災害状況の把握など、具体的な活用事例は多岐にわたり、今後もその適用範囲は広がっていくと期待されます。
 ● 参考情報へのリンク
 以下ページで”衛星画像からの情報抽出”をご確認いただけます。
   - 画像解析・情報提供サービス: https://www.jsicorp.jp/product/data.html
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